畳は、日本独自の伝統的な建築材料です。住文化の中で世界に例を見ず、アロマテラピー効果や空気清浄効果、お部屋の温湿度調整機能など、私達の健康で快適な生活を支える床材であり、その美しさは独特の文化を象徴するものとなっています。

畳(い草)の香りが集中力を高める!
畳の上では、集中力が増す-。
畳に使われるイグサには子どもの集中力を持続させる効果が認められることが、北九州市立大の森田洋准教授(生物資源工学)の研究で分かった。香りや色、感触が適度に緊張をほぐして集中力を長続きさせるという。
記事詳細(NIKKEI NET 日経ネット、2008/2/6)

畳の上では、集中力が増す-。
畳に使われるイグサには子どもの集中力を持続させる効果が認められることが、北九州市立大の森田洋准教授(生物資源工学)の研究で分かった。香りや色、感触が適度に緊張をほぐして集中力を長続きさせるという。
記事詳細(NIKKEI NET 日経ネット、2008/2/6)
快適性(香り・感触)
い草の香りは、気持ちを落ち着かせる効果(アロマテラピー ※樹木に含まれるフィトンチッドやバニラの中にあるバニリンの香り)があり、安心感を与える黄緑の色が目にも優しく、心身ともにリラックスさせてくれます。また、素足で歩くと足のツボを刺激する効果もあります。
空気清浄効果
部屋のCO2や二酸化窒素、ホルマリンなどを吸着して空気を綺麗にする効果があります。
湿度調節機能
大気中の水分を吸放出する、優れた湿度調節機能をもっています。梅雨などの高湿度期には水分を吸収し、冬の乾燥期には水分を放出することで湿度調節の役割をはたし、お部屋を快適にしてくれます。それにより、カビや虫を防止する効果があります。
断熱保温性
稲わらには熱を伝えにくい特徴があり、断熱効果が優れています。しかし、ひとたび温かい状態になると熱を逃がさない保温の役割もします。夏は涼しく、冬は暖かです。
弾力と耐久性、防音性
弾力と柔軟性がある硬さを持つため、衝撃を吸収します(柔道で使われる所以)。音を吸い込む吸音効果もあるため、防音性にも優れています。

一般的に総称される「畳」は、い草を織って作った畳表(たたみおもて)、藁(わら)や建材などでできた畳床(たたみどこ)、麻や綿・合成繊維でできた畳縁(たたみべり)などから作られています。
畳表(たたみおもて)
畳表に使用されるい草は、真冬に植えつけられたものを真夏に刈り取り、泥染め乾燥(い草の色ツヤを増し、変色や褪色を防止する効果があります。これにより独特の香りが生まれます)したうえで、長さ・太さ・色調など一定の基準で選び抜かれたものだけが使われています。
一般的に座敷等に使用する「丸い草」と、琉球畳に使用する「七島い草」の2種類があります。
畳表は、い草を経糸(たていと:綿糸・麻糸など)で交互に編み込んで織られており、一枚の畳表には、約4,000本から7,000本のい草が使用されます。原産地は国内では熊本・福岡・岡山・広島、国外では中国産などがあります。
織り方や製法の違いにより、「目積(めせき)表」・「龍髭(りゅうびん)表」などがあり、い草に染色した、カラー畳表や、和紙や化学繊維でできた畳表もあります。

畳床(たたみどこ)
畳床には、さまざまな原料を使用したものがありますが、代表的には、天然素材の藁(稲わら)床と、建材床の2種類に分類されます。最近では、炭や檜(ひのき)、茶葉などを入れた消臭・抗菌効果のある畳床も開発されています。
藁(わら)床:約30キロ~40キロの稲わらを平らに約40cmまで積み重ね、5cmの厚さまで圧縮して作ります。耐久性、弾力性、吸放湿性、断熱・保温性、難燃性という点で特に優れています。日頃のお手入れにより、30年~50年くらい長持ちします。藁の産地や製法により、さまざまなグレードの製品があります。
建材床:断熱性、耐湿性の高いポリスチレンフォームやインシュレーションボードを使用。軽量(約20キロ)で低コスト、防カビ・防虫仕様で、加工の自由度が高い点が特徴です。主にマンション、アパート等に多く使用されています。大体、10~15年くらいが取り替え時期です。建材メーカーからさまざまな種類の床が販売されています。
藁(わら)サンド床:稲わらにポリスチレンフォームを挟んだ3層構造の畳床。稲わらと建材床の良い部分を取り入れ、吸放湿性・断熱性・耐久性に優れています。
畳縁(たたみべり)
畳の二~四辺につける畳縁は、畳の耐久性を保持し、和室の美しさを引き立たせるアクセントになります。材質は、麻・綿・合成繊維などがあり、無地や柄物など、色・デザインともにさまざまな種類があります。特殊のな縁(へり)には、寺院仏閣をはじめ、一般家庭の床の間にも使用される“紋縁(もんべり)”や“繧繝縁(うんげんべり)”などがあります。

品質管理
い草の品質の基準は、太さが均一で色艶がよく、変色や傷などが少ないものが良いとされ、より長いい草は表面に使う緑の部分を多く取れるため、希少価値が高くなります。また、経糸の本数が多くきっちり編みこまれたものが、より高級の畳表となります。
畳表には、い草の産地・種類や織り方によって、標準品から特選品までさまざまなグレードの製品があります。JAS(日本農林規格)によって特等から2等まで厳しく規格が定められているほか、産地毎に検査規格があり、製品には検査印のほかに商標などが付けられています。また、国産品には全国い生産団体連合会の証紙が付けられ、経糸によって産地がわかるように証明糸が使われています。
このように、畳表をはじめ、畳床、畳縁にいたっても、厳正な品質管理が行われています。
畳表(たたみおもて)
畳表に使用されるい草は、真冬に植えつけられたものを真夏に刈り取り、泥染め乾燥(い草の色ツヤを増し、変色や褪色を防止する効果があります。これにより独特の香りが生まれます)したうえで、長さ・太さ・色調など一定の基準で選び抜かれたものだけが使われています。
一般的に座敷等に使用する「丸い草」と、琉球畳に使用する「七島い草」の2種類があります。
畳表は、い草を経糸(たていと:綿糸・麻糸など)で交互に編み込んで織られており、一枚の畳表には、約4,000本から7,000本のい草が使用されます。原産地は国内では熊本・福岡・岡山・広島、国外では中国産などがあります。
織り方や製法の違いにより、「目積(めせき)表」・「龍髭(りゅうびん)表」などがあり、い草に染色した、カラー畳表や、和紙や化学繊維でできた畳表もあります。
普通畳表(丸い草)
琉球畳表(七草い草)


畳床(たたみどこ)
畳床には、さまざまな原料を使用したものがありますが、代表的には、天然素材の藁(稲わら)床と、建材床の2種類に分類されます。最近では、炭や檜(ひのき)、茶葉などを入れた消臭・抗菌効果のある畳床も開発されています。
藁(わら)床

建材床

藁(わら)サンド床

畳縁(たたみべり)
畳の二~四辺につける畳縁は、畳の耐久性を保持し、和室の美しさを引き立たせるアクセントになります。材質は、麻・綿・合成繊維などがあり、無地や柄物など、色・デザインともにさまざまな種類があります。特殊のな縁(へり)には、寺院仏閣をはじめ、一般家庭の床の間にも使用される“紋縁(もんべり)”や“繧繝縁(うんげんべり)”などがあります。
紋縁・繧繝縁


縁(合成繊維・綿)

品質管理
い草の品質の基準は、太さが均一で色艶がよく、変色や傷などが少ないものが良いとされ、より長いい草は表面に使う緑の部分を多く取れるため、希少価値が高くなります。また、経糸の本数が多くきっちり編みこまれたものが、より高級の畳表となります。
畳表には、い草の産地・種類や織り方によって、標準品から特選品までさまざまなグレードの製品があります。JAS(日本農林規格)によって特等から2等まで厳しく規格が定められているほか、産地毎に検査規格があり、製品には検査印のほかに商標などが付けられています。また、国産品には全国い生産団体連合会の証紙が付けられ、経糸によって産地がわかるように証明糸が使われています。
このように、畳表をはじめ、畳床、畳縁にいたっても、厳正な品質管理が行われています。

- 新畳 :10,000円くらいから
新築やリフォーム、洋間に畳を敷くなど、畳表・畳床を全て新しく新調します。
- 裏返し:約2~3年。4,500円くらいから
日焼けなどで変色してきた畳表を裏返して使用します。
- 表替え:約3~5年。5,500円くらいから
日焼けや痛みが激しくなったら、畳表だけを取り替えます。


畳は上手に使えば使うほど長持ちします。
日頃のお手入れをして快適な畳ライフを送りましょう。
- 掃除機をかける時は、畳の目(繊維)に沿ってかけてください。
- 拭き掃除は、乾いたタオルなどで乾拭きして、水拭きは避けてください。汚れがひどい時は、綺麗な濡れタオルなどをきつく絞ってから拭いてください。
- 天気の良い日は窓を開けるなど、通気をよくしてください。
- 畳の上に絨毯やシートを敷かないようにしてください。(ダニやカビの原因となります)
※水や水分をこぼしてしまったら すぐに乾拭きし、窓を開けて風を通すなど、通気をよくしてください。
※カビが生えてしまったら カビの生えた部分を乾いたブラシやタオル等でよく乾拭きしてください。ひどい時は漂白剤(漂白剤は有効濃度5%以下)を水で薄め、タオルで表面のカビをよく拭き取り、次に消毒用アルコールを布に染み込ませ、丁寧に拭き取ってください。
風通しをよくし、十分な換気をしてください。
天気の良い日に、畳を天日干しすることも効果的です。(ダニの発生を防ぐ効果もあります)

畳の寸法・サイズは、日本古来の単位:寸・尺・間~で計ります。
規定のサイズはおおまかにはありますが、基本的には全て部屋のサイズに合わせて測って作るオーダータイプです。(海外では、流通の関係で、規定の畳のサイズに部屋を合わせることが多いようです)
日本国内でも、地域によって畳のサイズ(および名称)が異なります。
畳のサイズ
規定のサイズはおおまかにはありますが、基本的には全て部屋のサイズに合わせて測って作るオーダータイプです。(海外では、流通の関係で、規定の畳のサイズに部屋を合わせることが多いようです)
日本国内でも、地域によって畳のサイズ(および名称)が異なります。
畳のサイズ
- 京間(本間):95.5×191.0cm/主に近畿・中国・四国・九州
- 中京間(三六間):91.0×182.0cm/主に愛知・岐阜・三重
- 関東間(五八間):88.0×176.0cm/主に静岡以北
- 団地間(五六間):五八間より小さい。基準は無いが、85×170cmくらい。/全国


鎌倉時代(1192年~)には、現在の、床全体に畳を敷き詰める形、建物の床材として変化していきます。
その後、畳敷きの茶室建築が広まったことから、江戸時代(1603年)には、一般庶民の間にも広まることとなります。実は、畳が一般庶民のものとなったのは、江戸中期以降のことであり、農村においてはさらに遅く明治時代になってからでした。
近代、住まいの洋風化によって畳の部屋が少なくなった時期もありましたが、最近ではまた畳の良さが見直されてきています。